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シリア情勢と国連について思うこと [Daily Life 2012]

以前も書きましたが、私の現在最も関心のある世界情勢はなんと言ってもシリアです。

去年始まった内乱が今年に入ってどんどん激化し、この問題をどうストップさせればよいのか、東京に住む小さな会社員としても心を痛めています。

去年チュニジアの民主化運動を発端とし、中東やアフリカの様々な国で同じような民主化に向けての動乱が勃発していますが、シリアは非常に複雑です。

ロシアと中国がアサド政権を支持するのは、民主化の動きがこれ以上進むとロシアや中国の国民にも同じようなことをされては困るという分かりやすい理由もあれば、軍事品の需給問題という単純な利権や、地理的な問題まで絡んでいます。

もともとシリアは世界大戦の結果「造られた」国のため、国の基盤が弱くバラバラになりやすいわけで、それを独裁政権の名において権力と暴力で無理矢理繋ぎとめている状態。

そしてまた厄介なのが宗教。
アサドはシーア派のアラウィー派ですが、アラウィー派は国民の1割程度で、国民の半分はスンニ派。
またそうなると宗教的観点で支持する国も変わってきます。
イスラム教は私も知識がまだまだですが、人間の信仰が国の情勢まで変えてしまうのは他のイスラム諸国と同じでしょう。

シリア問題で一番頑張っていただきたいのはやっぱり国連ですが、先月シリア監視団がシリアから撤退するしないでもめましたよね。
一瞬、えっ、逃げるの?と思いましたが、とりあえずとどまってはくれています。
一方で、国連はいつも人道的立場をとると言ってはいても、欧米(=国連)がリビアでしたことは、本当に人道だったのでしょうか?

昔国連職員になりたかった私が国連を批判するのは憚るのですが、シリア問題を考えるにどうしても国連と人道という二つの単語に矛盾を感じてしまいます。

リビアの例だって、カダフィを引きずり回す映像を流すって、「人道的」行為?
そんな方法でこのシリア問題を片付けてはほしくないです。
そして、カダフィ政権崩壊後のリビアだって、現在どこまで国民にとってよくなっているかは正直疑問。それでも私は国連はないと困るとは思っているのですが、国連の活動がどうあるべきかは悩ましい問題です。

監視団に逃げて欲しくないと思っても、戦闘が激化する中、活動を行うのは確かに大変なことだと思います。活動をするのも人間なので。。。

ただ、もうこの国は完全に戦争状態にあり、誰かが止めないと罪のない犠牲者が増える一方。

私が知りうる知識はメディアからしかないので、報道に偏りがあるのは理解していますが、毎日のように虐殺やら暴動やらのニュースを見るのは辛いことです。

アサドがどうこうではなく、一人間として、早く騒乱が終わってほしいのです。

私はいつも飲んで遊んで気楽に生きている人間ですし、私が悩んでも仕方ないのも分かっているのですが、それでもこの問題に私はかつてのルワンダ問題と同じくらい真剣に危惧しているのです。
それは杞憂なのかもしれませんが・・・。

さて、そんな熱弁を振るう私は来週はまたお気楽な夏休みです。
シリアに少し近いドバイと、スリランカとモルディブに行ってきます。(モルディブは寄るだけ)
楽しみつつも、アラブの国でイスラム教についてちょっと考えてきます。
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