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ローマンはインドへ向かうよ~ [アメリカ 2010-2011]

飛行機は行きほどは混んでいませんが、私の隣は最後の最後で人がやってきました。
彼の名はローマン!
東欧の顔だが、パスポートはアメリカ。移民かな?と思った。
どう見ても10代の少年。正直15歳くらいに見える。

ローマンはペンがないのと、日本の入国カードの書き方が分からなくて私に話しかけてきたのだが、話を聞くと、19歳の彼は実は日本はトランジットだけで(だから入国カードは不要)、予想的中ロシア移民で、そして今からコルカタに行って、孤児たちの家を作るとな。
偉いね!がんばれ、ローマン!
そもそもローマンは飛行機も移民時以来の経験だから、電気のつけ方もイスの倒し方も知らず、私は先生となっていろいろ教えてあげました。

そしてコルカタで孤児の家を作るローマンにエールを送るべく、この先2回も飛行機を乗り継ぐんだからペンぐらいもたないと~、と、広島キティちゃんのかわいいボールペンをあげました。
で、「鶴は平和の象徴だし、かわいいからインドの子供達に見せてあげて」と私が格好つけて言ったことから、ローマンの真の顔が現れた。

それは「りぶのすけ、君はなんていい人なんだ!神様を信じるかい?」から始まった。

あまりにもすれていない少年でもしやとは思ったが、彼は敬虔すぎるクリスチャンであったのです。その敬虔振りは会話のいたるところで見られます。

【例1】
ロ「りぶのすけはお酒は飲むの?」
り「はい。常日頃からたくさん飲みます」
ロ「僕はね、お酒とかギャンブルとか嗜好品には一切手をださないんだ。だって神様が見ているし、聖書の教えに従いたいしね!」

【例2】
ロ「りぶのすけの人生について語ってよ!」
り「(そんな振り方アリかよぉ[がく~(落胆した顔)]) 私は語るほど立派な人生じゃないけど、家族や知人に恵まれ、仕事も今はあり、幸せだと思っているわ。自分より不幸な人の方が絶対多いんだし、身の回りのごく当たり前のことに感謝しようとすれば、大きな不平もでないわ」
ロ「その通りだよ。りぶのすけは偉いね!ところで聖書の第○にはこんな話があって・・・・」

【例3】
ロ「りぶのすけはほぼ無宗教と言うけど、辛いときは何にすがっているの?お祈りは?」
り「うーん。難しい質問だけど、基本的に自分か友達や家族に話す以外で何かに頼ろうとしないんかなあ・・・。あ、でも無宗教とは言え、神社に行ったら当然神様にお祈りするし、どさくさに紛れていろんな場面でジーザスとかブッダとか勝手に登場させているよん」
ロ「へえ。じゃあジーザスのことも信じるんだー。ジーザスってね、聖書第○によると・・・」

あまりにも神様の話に疲れて私から違う話題を振ると・・・
【例4】
り「ローマンは一人でインドに行くの?お友達も一緒なの?」
ロ「うんとね、4人で行くんだ。いや、正式には5人。あとの一人は誰だと思う?」
り「あ、自分を入れていなかったんじゃない?自分入れて5人でしょ!ピンポ~ン!」
ロ「違うよ!もう一人は神様だよ!!!」

だんだん私も麻痺をし、自分からジーザス話を切り出すことも・・・。
【例5】
ロ「りぶのすけは休みの日は何をしているの?」
り「うーん、友達と会ったり掃除したり、寝てばかりで何もしなかったり、映画見たり・・・。ローマンみたいに遠くインドまで困った人を助けに行くとか立派なことは全然しないわ・・・」
ロ「教会には行かないの?」
り「クリスチャンじゃないし、怠け者だから教会には行かないよ。あ、でもほら、神様は6日かけて世界を作って1日休んだわけでしょ!だから教会に行かずに何もせずボケーっと休んでもいいんじゃないかしら?」
ロ「おおー!そうだねー。りぶのすけはおりこうだね!」

と、時々若いローマンに褒められたりもします。。。

とにかくローマンとは、何を話すにせよ、必ず神様が登場するわけです。
そして本人曰く、神に生涯を捧げるため、一生結婚する気も彼女を作る気もないそうです。

ここまで主義主張に一貫性があると尊敬します。信仰の力って大きいよなー。私は他人に強要せず、破壊性や狂気性がなければ誰が何を信仰しようが何も言うつもりはないけど、何だかローマンの一生懸命さは微妙だった・・・。あまりにも純粋無垢すぎて。
まだ19歳だし、インドで3ヶ月滞在する間にもっと世の中の泥臭さを味わえるといいね、と親心を見せつつ、トランジットで次はバンコク便へ乗り継ぐローマンと成田で別れました。
最後に、「これからまたロングフライトだけどグッドラック!」と声をかけたら、もちろん返答は「ありがとう!でも大丈夫。僕には神様もいるし聖書もあるから!」でした・・・。

そんなかんだで成田では、初めて税関で「よく出張行かれるんですね」と今回の旅を出張扱いされました。
手には土産用ポテトチップス袋を持っていたのに・・・。
そしてお休みのKさんがマリナーズトレーナー回収もあって迎えに来てくれたので、高級食から一転、馴染みのあるガストに寄り、気心知れた友と食で帰国を噛み締めた次第です・・・[わーい(嬉しい顔)]

結局今回の3泊5日のシアトル旅行を総評すると、ただでさえ眠いときに寝られず、時差ぼけも手伝い本当に睡眠の短い旅行だった・・・・。そして招待だから当たり前だが、自分の好きなことというよりは相手に合わせる旅行でもあった。
でもBさんにはアメアイネタがウケたし、ローマンとの話の一部でも、初めてアメリカ人にトークで勝利する瞬間も味わえたのも事実。(もちろん、勝てない方が多かったが!)
とにかくBさん、本当にありがとう!またいつか世界のどっかで~!
ローマンはインドでがんばっておくれ~!

(おしまい!)
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